いま、ここにある生命力に溢れる森。

5年にわたり、大勢の方と共に苗木を植樹した日から10年以上。まだ樹高30~50cmだった62種類32,000本の苗木はいま、豊かな森となって輪王寺を緑で包み込んでいます。かつての参道の杉並木は、18,000もの多様な樹木が茂る「輪宮の森」として生まれ変わり、豊かな風景が参道される方を迎えます。
また、東日本大震災では震度6の揺れに見舞われた仙台ですが、輪王寺に植樹された樹木はしっかりと根を張り、斜面を守り、1本も倒れることなく屹立。
この生命力に溢れた本物の森ではいま、高木、中木、低木、草本植物が互いにいがみ合い、競争と我慢をしながら精一杯、共生しています。

森写真1
森写真2
森写真3

寺全体で、自然と共生する環境づくりへ。

曹洞宗の開祖道元禅師は、福井の山中で修行され、徹底して自然の摂理の大切さを説かれました。
輪王寺にある自然は森だけではありません。庭園の池もそのひとつ。そこには、ヨシ、マコモ、フトイ、カサスゲノハナショウブなど、池のまわりに多様な水辺植物群落が見られます。
これらが水中のチッ素やリンを食べてくれることにより、水が浄化され、池の富栄養化を防ぐとともに、生物の多様性という意味でも大きな役割を果たします。
石積みの隙間や植物の合間は、さまざまな生物の隠れ家となり、多様な生物が棲める環境は、すなわち私たち人間にとっても住みやすい環境となるのです。

庭園の池

一切を無駄にせず、すべての役割を全うさせる。

「いのちと心が廻る森づくり」から、「いのちと心が廻る寺づくり」へ。
輪王寺では、墓前に供えられた供養花、朽ちた卒塔婆、落ち葉や間伐材、生ゴミなど、すべてを地球資源として再利用しています。無駄を出さないのです。ゴミにしてしまうものを、土に返すことで植物に栄養を与え、生命を育む。およそ地球上に存在する生命は、すべて原因から発して結果につながっています。
仏教ではこれを「因果」といいます。
自然界では、すべての存在は与えられた役割を全うして生きています。無駄などひとつもないのです。

寺の道
森写真4
森写真5

輪王寺の再利用への取り組み

【廃棄物の再利用】

供養花や境内の膨大な落ち葉、生ゴミなど、捨てられていたものを粉砕し発酵させれば堆肥として再利用できます。良質の堆肥は植樹のためのマウンドに混ぜたり、境内の植物の肥料として撒いたり、菜園で使っています。檀家の方など、希望される方にお譲りもしています。

廃棄物の再利用1
廃棄物の再利用2

【雨水の再利用】

屋根に降り注いだ雨水をタンクに集めて、植物への撒水、お墓掃除などに使っています。ロバの輪輪の飲み水も雨水を利用しています。雨水を利用することで節水し、ムダを減らす、浄水場のコストを下げるなどの効果があります。

雨水の再利用3
雨水の再利用4

【間伐材の再利用】

境内では木の伐採により、多くの間伐材が出ます。これもゴミとせずに可能な限り再利用しています。炭焼きガマで炭や木酢液をつくったり、薪ストーブにくべたり、木工に使ったりしています。また、しいたけとなめこの栽培も行っています。

間伐材の再利用5
間伐材の再利用6