時を超えて親しまれる、豊かな緑を再び。
輪王寺には明治の大火を免れ、力強く大地に根を張る自然が残されてきました。本堂へ登る参道は両側を杉並木が囲い、その荘厳な佇まいは地域の象徴として、時を超え多くの方に親しまれてきました。しかし、ある時、その風景が失われてしまおうかという事態に陥ったのです。
幹線道路の渋滞緩和に向けた北山トンネル計画。トンネルは輪王寺の参道の真下を通ることになり、開削工事での施工のため、参道の杉並木は伐採を余儀なくされました。
これを機に始まったのが、「ふるさとの木による、ふるさとの森づくり」です。杉並木が豊かに生い茂げる参道に、伐採後も、緑を復元する。その思いのもと、輪王寺の森づくりは一歩を踏み出したのです。